父の大親友
2023年11月18日 更新
11月上旬になると父の大好きだった缶ビールを買って実家に行き
お線香をあげるのが毎年恒例です。
父の命日は決して忘れる事がありません。
なぜなら私の誕生日が父の命日だからです。
20年以上前、父が亡くなって祭壇のある部屋で親戚一同と居ると
父の大親友のおじさんが来て、
「こんな時だから、誰からもお祝いしてもらってないだろ」と
私に誕生日ケーキをくれました。
みんなで葬儀の準備をしている状況で私にケーキを買ってきてくれるなんて!
本当にビックリしました。私が逆の立場だったら、この状況でケーキを
買ってくる勇気がないと思います。父の大親友だからそこできる事だったの
かもしれません。
おじさんの優しさで心が温かくなり、心にぽっかりと穴が空いた状態が
緩和されたように思います。
父の祭壇の前で、みんなとケーキを食べながら、父は不機嫌になっているだろか
いや、私の誕生日をきっと祝ってくれている。微笑ましく見てくれているに
違いない、なんて考えていました。
常識的には絶対有り得ない事でしたが、悲しみと嬉しさが入り混じった
ケーキの味でした。
なので、毎年誕生日にケーキを食べるとこの事を思い出します。
総務部 遠藤