小説太平洋戦争

2017年6月12日 更新

 昭和46年に刊行された山岡荘八氏の「小説太平洋戦争」が最近新装された物を読んでいます。日本が何故開戦してしまったのか、南西洋で如何にして玉砕したのか、世界一の規模と装備を持った戦艦大和が如何にして撃沈したのか、特攻について等、当時従軍記者として各地で実際に見てきたこと、後に判明したことが書かれています。

 

 フィリピン・サイパン等の戦場で、日本兵は、弾薬も尽きてジャングルに潜んでゲリラ活動をするなか、アメリカ軍は数十倍の人員と兵器で、日本兵の潜んでいそうな塹壕を火炎放射器で焼き払いながら進軍していきます。しかし5時になるとどんな状況にあろうと、進軍をやめてキャンプに引き返す。同じようなことが山崎豊子氏の「二つの祖国」にも書かれていますが、日本兵は5時になると今日も生きていたと安堵したようです。

 

 戦争を、仕事のように計画し実行していたアメリカと総玉砕を考えてしまった日本との違いは何だったのか「・・どんなことをしても生き残って・・」というのは当時の軍隊内の常識ではなかったようで、そんな時代があったことを再認識させられます。

営業部 影山裕久

 

◀前のページに戻る    ▲このページの先頭へ